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没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳

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没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳
太田記念美術館 公式サイト
開催期間:2011年6月11日ー7月28日
主催:太田記念美術館・NHK・NHKプロモーション
サイズ:A4(片面)


 武者絵における国芳の貢献は、勝川春亭が先鞭をつけた三枚続のワイドスクリーン画面をさらに推し進めたことにもある。天保後期の「相馬の古内裏」は、山東京伝の読本『善知鳥安方忠義伝』に題材を得たもの。亡き父平将門の遺志を継ごうと、妖術を駆使してかつての将門の内裏跡に同士となる勇者を誘いこむ滝夜叉姫と、諸国武者修行の大宅光国が対峙する場面を描くが、絵の主役はまるで滝夜叉の妖術で出現した巨大な骸骨であるかのようである。原作の読本に歌川豊国が描く挿絵であは、骸骨は人間大の大きさであったのが、巨大なモンスターへとかえられて、三枚続の横長画面に構図上の緊密な統一感と緊張感を生みだしている。 (大久保純一 『カラー版 浮世絵』 岩波新書 2008年)

by ephemera-art | 2016-07-07 00:00 | 太田記念美術館