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ミレー3大名画展

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ミレー3大名画展 ヨーロッパ自然主義の画家たち
Bunkamuraザ・ミュージアム 公式サイト
開催期間:2003年4月10日ー7月13日
主催:オルセー美術館・日本テレビ・Bunkamura・NTVヨーロッパ・読売新聞社
サイズ:A4

(別バージョン)
A4 片面

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 ミレーは生涯に三度、『四季』のシリーズを描いている。そのうちの二度は農業の暦に合った労働をテーマとしている。ヨーロッパの人々にとって、四季のイメージは花鳥風月ではなく、農作業と結びついている。ミレーの著名な作品である《種まく人》、《落ち穂拾い》、《春》などはこうした季節の労働を基にしており、それは中世以来の暦の伝統を受け継いでいる。
 落ち穂を拾う女たちは、畑の所有者の許可を得てから自分たちの食べる麥を拾う。つまり、彼女たちは農業に従事する人々のなかで最下層に位置するのであり、それがこの忍従のポーズにきわめて象徴的に表されている。
一八五七年にミレーはサロンに出品するため四季の連作のなかから、「落ち穂拾い」のテーマを再び取り上げ、今度は単独の作品として描いた。ここでは、積み藁や収穫の人々がずっと遠くに退いているので、三人の女たちは前景に取り残されている。背景の人物群はかなり増え、その分にぎわいと豊かさのイメージが増し、手前の女たちの貧しさを強調している。広い平野のパースペクティブはこの頃からのミレー作品の特徴となるが、その寒々しい広さは、労働のポーズを際立たせ、そのポーズの語る労働の重みを、より強調する結果となっている。 (高階秀爾監修 『パリで出会う名画50』 小学館ショトル・ミュージアム 1996年)

by ephemera-art | 2017-06-01 00:00 | Bunkamraザ・ミュージアム